この記事では最低1カ月から利用可能なトランクルームについて筆者が独自に調査した結果を紹介します。トランクルームを探している人で1カ月や2カ月といった短期間の契約を希望する人はけっこういます。
その理由は簡単で、1カ月後もしくは2か月後には荷物を置けるアパートやマンションに入居することが決まっているのに、なんらかの事情で今いるアパートをすぐ退去しなくてはならないケースがあるからです。
つまり、新居に入居するまでの短期間だけ今の住居にある家具を一時保管する必要がある場合に短期利用が求められるわけです。
ところで、国内には短期利用が可能なトランクルームはありますが、全ての業者で短期利用が可能なわけではなく、なかには最低契約期間が半年の業者も存在します。
1カ月の短期利用が可能なトランクルームとそうでないトランクルームの違いはどこにあるのか、まずは国内で有名なトランクルーム事業者11を比較した内容から紹介します。
1カ月だけでも利用できるトランクルームの調査結果
最低利用期間 | キャンペーン適用の有無 (最低契約期間だけ利用) |
キャンペーン内容と適用条件 | |
加瀬のレンタルボックス |
1カ月 | 無 | (一定期間、賃貸半額) 店舗により全く異なる |
ドッとあ~るコンテナ |
1カ月 | 無 | 6カ月賃料半額 (長期契約) |
収納ピット |
1カ月 | 無 | 3カ月賃料半額 (3ヶ月以上契約) |
ストレージプラス |
1カ月 | 無 | 3カ月賃料半額 (6ヶ月以上契約) |
ストレージ王 |
1カ月 | 無 | 3カ月賃料90%oOFF (8ヶ月以上契約) |
U-SPACE |
1カ月 | 無 | 6カ月賃料半額 (6ヶ月以上契約) |
プライベートボックス |
1カ月 | 無 | 指定期間、賃料10~30%OFF (12ヶ月以上の契約) |
キュラーズ |
1カ月 | 無 | キャンペーン無し |
ハローストレージ |
2ヵ月 | 無 | 2~6カ月賃料半額 (2か月以上契約) *店舗により内容が異なる |
スペースプラス |
2ヵ月 | 無 | 3~6カ月賃料半額 (12ヶ月以上の契約) |
スぺラボ |
3カ月 | 無 | 3カ月賃料無料 (12ヶ月以上の契約) |
11社のうち1カ月だけの短期でも利用できるトランクルームは8社でした。
それでは1カ月でも利用できる8社と最低利用期間が2~3カ月の残り3社はどこが違うのでしょうか?
最低利用期間の違いと月額賃料・キャンペーンとの関係性
最低利用期間に縛りがないトランクルームと縛りがあるトランクルームを比較する際、下記のポイントを軸に話すと分かり易いです。
- 利用者の流動性
- 月額賃料
- キャンペーン
- 店舗ごとの料金の統一性
縛りの有無で上記の4つのポイントは真逆の傾向性を示します。
以下、最低利用期間の有無の違いでどういった違いが見られるのか、それぞれの特徴について具体的に解説します。
最低利用期間が1カ月など縛りがないトランクルームの特徴
最低利用期間の縛りの縛りが無ければ利用する側は自由にいつでも借りることができて便利だというメリットがあります。
一方で貸す側(トランクルーム会社)にとっては1カ月単位で利用者が確実に入れ替わる保証がないので、経営的に安定せず不安材料となります。
たとえば、誰かが1カ月利用して解約したスペースがあったとして、間を空けずに次の誰かに契約してもらえる保証などないからです。
つまり、1カ月単位での利用を可能にしているトランクルームは柔軟な選択肢を提供できている一方で収益を安定させにくいのです。
そのため、そういった不安材料は自然と基本料金に反映されて月額賃料が高めに設定される他、店舗ごとの料金も統一し易い傾向があります。
例えば、A店舗の0.5畳プランとB店舗の0.5畳プランでは店舗がある地域の地価に違いがあるにも関わらず、A店とB店の同一プランで同一料金が提示されるケースが見られます。
これは利用者の側からすれば料金が同じなら場所で選べば良いということに繋がり大きなメリットだと言えます。
最低利用期間が3ヵ月など縛りがあるトランクルームの特徴
最低利用期間に縛りがないトランクルームと比べて2~3カ月の縛りがあるトランクルームは利用者の流動性が比較的低く、収益を一定期間確保できるので経営的に安定し易いです。
縛りがある事業者の場合、例えば3カ月縛りで契約した利用者が1カ月だけで解約したとしても3カ月分の利用料を請求できるので、万が一利用者が早期に離れて行ったとしてもすぐに次の入居者を募集することで損害を最小限にとどめることができます。
また、最低利用期間に縛りがあると比較的収益が安定しやすいので、月額賃料は割安に設定されるケースが多く、大きなキャンペーンも実施し易いです。
例えば、12カ月以上の利用契約で賃料を半年間半額にするなど、目玉商品を出しやすいのも縛りがある事業者によく見られる傾向性だと言えます。
ただし、最低利用期間に縛りがある業者は店舗ごとのサービス内容は同じなのに料金が大幅に異なるなど、バラつきが生じる傾向があります。
こうなると、利用者としては利用したい地域と理想的な料金に齟齬ができてしまい、どれにしようか選ぶのに迷ってしまいます。
なお、利用期間に縛りがあることで使用料を下げている例については、月額1,000円のトランクルームはある?各社の最安プランを徹底調査!も合わせて読むと参考になります。
最低利用期間の違いによる利用者像の違いについて
前の項目で最低利用期間の違いによる賃料・キャンペーンの傾向性を解説しましたが、これは利用者像とも関係してくるもので、縛りが無いプランは緊急的な用途、縛りがある場合は計画的な理由によるものとなり易いです。
最低利用期間の違いの長短でトランクルーム選びは少々異なります。
以下、利用者像の違いについてそれぞれ解説します。
最低利用期間が1カ月のトランクルームが向いている人
1カ月という短期でトランクルームを利用したい人がいることは、前述の通り各社1カ月でも利用可能にしていることからも明らかですが、どういう人が短期利用を必要とするのか利用者増に迫ってみようと思います。
手違いで在庫が急増してしまい保管場所がたりなくなった。1カ月後にある物件に入居できることが決まっているが、それまで今のスペースだけでは収納できなくった。とにかく、この1カ月だけあふれた在庫を保管するスペースが欲しい。
諸事情が重なり賃貸マンションを出る羽目になった。すぐに出て行く必要があるが引っ越し先の物件は1カ月後でないと入居できない。そのため、1カ月だけでも今の住居にある家具を預けられる場所が必要。
実は筆者は上記の事例で2番目のケースに該当した経験があります。
当時は家具や生活雑貨の置き場所に困り死に物狂いで試行錯誤しましたが、留守中に業者を雇って部屋の私物を勝手に外に出されており、綺麗に段ボールに詰めたうえシートまで被せて放置されたので、一部を車に詰め込んで残りは新居があくまで我慢したという経験があります。(全然悪いことはしてません)
あの時は忙しくてトランクルームを利用することに思い至りませんでしたが、あんな時こそトランクルームを利用するべきだったと今なら思います。
近隣にハローストレージとスペースプラスがあることを後で知りました。
最低利用期間に縛りがるトランクルームを利用するのが向いている人
トランクルームを利用する時に長期利用を考えるなら利用期間に縛りがある業者のほうがメリットが大きくなるケースは多いです。
その理由は簡単でトランクルーム業者はたいてい長期利用契約のほうが月額賃料が割安になるだけでなく、各種キャンペーンの適用対象となればさらに安く利用できることが多いからです。
長期の利用契約が想定されるケースとしては下記の事例が挙げられます。
仕事の転勤で住居が変わった人の例:
数年の転勤が決まったが会社が用意してくれた物件に趣味のバイクを置けるスペースがない。なんとしても転勤先でもバイクに乗れるよう保管場所を確保したい。
戸建て住宅の床を張り替えたり部屋を増やすなど大幅な工事が必要だが家具が邪魔なので数カ月だけ別の場所に保管したい。
交換留学で1年間海外の大学へ滞在することになった。下宿は引き払ったが実家に家具を収納するスペースがないので、帰国するまで家具をキープしておきたい。
関連記事:留学中アパートそのままは損!トランクルームでコスト削減がおすすめ
まだまだ色んな事例が考えられますが、長期利用をする人の中には趣味のサーフボードやロードバイクなど週末の空いた時間に使うようなアイテムでも家ではなくトランクルームに保管する人は多く、決して上記の事例だけに限りません。
まとめ
以上、1カ月だけの短期間でも利用できるトランクルームと利用期間に縛りがあるトランクルームについて、それぞれの特徴や利用者像について紹介しました。
再度まとめると下表のような感じになります。
1カ月だけ利用 | 長期利用 | |
用途・目的 | 緊急性が高い | 緊急性は低い |
月額賃料 | 基本的に割高! | けっこう安い |
キャンペーン | 基本的に対象外 | 割引対象になり易い |
最後に補足ですが、最短でどれくらいの期間利用できるかについては各社の最低利用期間を調べれば良いですが、最低利用期間と最低契約期間は厳密には意味が異なるので注意が必要です。
下記は収納ピットの最低契約期間について約款の一部を抜粋したものですが、最短の利用でも2ヵ月の料金がかかることが理解できます。
収納ピット
1か月だけの利用など短期間だけ契約する場合、料金の確認は事前にしっかりしておく必要があります。
たいていのトランクルーム業者は申し込みを公式サイトで受け付けており、公式サイトで試算を出せるようになっています。
また、理解できない点についてはメールで問い合わせすることもできるので、事前の確認は万全にしおくことをおすすめします。
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