この記事では巷で流行っている宅配型トランクルームを引っ越し屋さんの代わりとして利用する方法について、利用者像や利用時の注意点をまとめて解説します。宅配型トランクルームは一般のトランクルームと違い、サービスの中に荷物の集荷・保管・配送がセットになっています。
集荷・保管・配送のそれぞれに別途料金が設定されているものもあれば、保管料だけで一連のサービスがセットになったものまで様々ですが、ここでは家具など大型の荷物まで取り扱ってもらえる業者に的を絞って紹介します。
宅配型の集荷・配送システムは引っ越しに利用できる
宅配型トランクルームは必ず専属の宅配業者と提携しており、利用者が荷物を預ける時は集荷に来てくれますし、荷物を引き出す時は配送してくれます。
荷物が自宅とトランクルーム業者の倉庫を行き来するのに利用者本人が足を使う必要が全くないため、このシステムは引っ越しする時の運搬方法として転用することが可能です。
宅配型を使った引っ越しの手順
引っ越し前の部屋の荷物を宅配型トランクルームに預ける手順は下記の通りです。
宅配型トランクルームの利用手順4ステップ
- 宅配型トランクルームにネットで集荷依頼。
- 提携先の宅配業者が荷物を集荷。
- 宅配型トランクルームにネットで引き出し依頼。
- 提携先の宅配業者が引っ越し先に荷物を配送。
おおまかに分けるとたったの4ステップだけですが、実際はこれだけで引っ越しが完了するわけではありません。
荷物を集荷しに来てもらう前に荷造りをする必要がありますし、配送してもらう時に配送先に誰かが対応できるよう準備する必要もあります。
一般的な宅配型のサイズの限界
ところで、宅配型トランクルームを使って引っ越し作業を肩代わりしてもらえるのは事実ですが、あくまでもトランクルーム各社が取り扱っている大きさや重量の範囲内の荷物に限られます。
たいていの宅配型トランクルームは大きくても衣装ケースくらいの大きさまでしか対応していません。その理由は宅配型を利用する人のニーズの大半が衣類の収納で困っているという現実があるからです。
つまり、一般的な宅配型トランクルームはベッドや洗濯機などの家具には対応しておらず、せいぜい洋服ダンスに入るサイズの衣類を箱に詰め込んだ大きさまでが対象となっているのです。
宅配型トランクルームを引っ越しで利用するケース
ところで、宅配型トランクルームの集荷・配送システムを引っ越しに応用できるのなら、自宅から引っ越し先まで直接運んでもらえば良いのではと考える人もいるかと思われますが、その答えはNOです。
なぜなら、宅配型トランクルームの料金は集荷・保管・配送の3セットにかかる人件費など全てのサービスの総量なので、不要だからといって間を省くことができないのです。
もしも間の荷物を保管する工程を省くというのなら普通の引っ越し業者に依頼するのとなにも変わりません。ここではあくまで普通の引っ越し業者に依頼しない場合の代替案として紹介していることに留意して下さい。
それでは、どんな場合に普通の引っ越し業者に依頼せず宅配型トランクルームを利用したほうが便利なのかというと、引っ越しすることが決まっているのに引越し先・入居先が決まっていない場合がまさにそうです。
引っ越しするのに入居先が決まらない時
これは筆者も経験がありますが、一般的には高校から大学・短大・専門学校などへ進学するために実家から引っ越す時にありがちです。
受験勉強で土壇場まで宿探しができなくて合格発表が出てすぐに宿探しをするのですが、周囲も同じような境遇の人ばかりで高い賃貸しか空いていないという状況です。
社会人の場合、急に転勤が決まったにも関わらず会社の斡旋がなかったりすると同じ状況になります。こういうケースではとりあえず費用はなんとかするからレオパレスなど割高だけど入居しやすい物件を確保するしかありません。レオパレスなら1週間・1カ月単位で契約できるので、解約する時もスムーズです。
まずは今の宿を引き払って家具を別の場所へ保管し、レオパレスに住みながら条件の合う宿を探すのです。だいたいこういうケースは会社がレオパレスの費用を肩代わりしてくれます。
また、今の住居を退去するに当たり家具をどうするかについては配型トランクルームで一時保管するという方法があります。
宅配型トランクルームなら購入した家具をとりあえず預けて置いて、入居先が決まった時点で取り出すことができます。また、取り出し時も宅配業者が届けてくれるので大助かりです。
繁忙期で引っ越し業者がつかまらなかった時
これも引っ越しあるあるで、引っ越し先はなんとか決まったものの引っ越し業者を手配しようと思ったら案外どこも手一杯で受け付けてもらえないという状況です。
実はこの状況が一番多いかもしれません。しかしこんな状況で宅配型トランクルームに空きがあればとりあえず一時保管だけでもできるので、後は入居先についてから引き出しても遅くはありません。
ただし注意して欲しいのが、宅配型トランクルームが提携している宅配業者も一般の宅配業者となんら変わらない宅配を生業とした業者さんなので、引っ越し業者がつかまりにくい時は宅配型トランクルームの集荷・配送も同じよう空きが少ないということです。
ここでは、もしも空きがあった場合の有効活用として紹介しているだけなので全然万能ではありません。過信は禁物です。
家具など大型の荷物にも対応できる宅配型トランクルーム3選!
それでは引っ越しに宅配型トランクルームを利用して全てを完結できないのかというと、一部の宅配型トランクルームでは大型の荷物にも対応しており、引っ越し業者として転用することができます。
下記は大型の荷物に対応している宅配型トランクルームの一例です。
- アズケル スペースプラン
- エアトランク プレミアムプラン
- 宅トラ カーゴタイプ
この3社は家具など大型の荷物でも集荷・保管してくれるうえ配送まで依頼できますが、取り扱う荷物の種類に違いがあるので注意が必要です。
AZUKEL スペースプラン
AZUKELは多くの宅配型トランクルームの中でも家具の取り扱いに対応していることで有名です。
さらに、公式サイトに保管料金シミュレーション機能が設置されているので簡単に試算することができて便利です。また、冷蔵庫・洗濯機などあらゆる家具に対応しています。
引っ越しで冷蔵庫・洗濯機を買い替える人もいるかもしれませんが、一般的には今使っているものを引っ越し先でも使うと思うので、引っ越しで宅配型トランクルームを使うならAZUKELが最もおすすめです。
スペースプラン | |
集荷依頼 | WEBで依頼 |
専用BOX | 宅配業者が来る前にWEBで必要個数を無料で取り寄せ |
集荷の費用 | 収納先までの運賃は無料 |
写真撮影 | 1箱につき30点まで無料で対応 |
最低利用期間 | 定めなし |
月額保管料 |
|
取り出し料金 |
アイテム単位で取り出す場合、 下記の通りサイズごとに料金が異なります。
|
入庫日から180日以内に取り出す場合、取り出し分の預け入れ時配送料が発生。 |
|
対象エリア | 東京、神奈川、千葉、埼玉 |
試算してみると分かりますが、単身のワンルームマンションで使う程度の生活家電なら1~2万円くらいで収まるのには驚きです。
\料金シミュレーションで試算してみる/
AZUKEL 公式サイトはこちら ≫
エアトランク プレミアムプラン
エアトランクも家具の収納に対応している数少ない宅配型トランクルームのひとつですが、AZUKELと違って冷蔵庫・洗濯機のような水漏れの危険性がある家電は収納してくれないので注意が必要です。
エアトランクの良いところは対象エリアが都内及び近郊、大阪や名古屋などの大都市とやや広めに対応していることで、AZUKELが首都圏とその近郊だけに限定しているのと比べるとやや柔軟だと言えます。
プレミアムプラン | |
集荷依頼 | 電話で詳細を確認 |
運送料 | 収納先までの運賃は無料 |
写真撮影 | 対応 |
対象サイズ |
上記9プランの料金は首都圏のユーザーが対象です。 |
取り出し料 | 1カ月で5回まで無料 |
対象エリア | 東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・愛知 一部地域を除きます。 詳しくは下記の画像を参照。 |
宅トラ カーゴタイプ
宅トラはヤマト運輸と提携した宅配型トランクルームです。全国どの地域の人が利用しても保管場所は茨城県にある拠点に届けられて管理され、ヤマトのスタッフが常駐管理してくれます。
小型の段ボールサイズだけでなくカゴ車(カーゴ)に入れるような冷蔵庫・洗濯機などの大型家電など全てに対応しています。
ただし、最低利用期間が半年という縛りがあるので、すぐに取り出す予定で利用することも可能ですが出費が大きくなります。
ミニボックス | レギュラーボックス | |
集荷依頼 | WEBで依頼 | |
サイズ | 104×104×130(㎝) | 104×104×170(㎝) |
最低利用期間 | 6カ月 *短期利用も可能。 6カ月未満の解約でも6カ月分の料金が発生します。 |
|
月額保管料 | 5,478円 | 6,600円 |
初回引き取り料 |
20,900円 | 24,200円 |
*他社トランクルームから乗り換えは無料! | ||
取り出し料 |
20,900円 |
24,200円 |
*配送先により異なります。 |
||
写真撮影 | 対応 | |
対象エリア | 全国(一部地域を除く) |
*料金は東京都在住の場合で計算
\ツールを使って簡単に見積もりを計算!/
宅トラ 公式サイトはこちら ≫
一般のトランクルームの荷物運搬サービスと宅配型の違い
下記は一例ですが、いずれも自宅からトランクルームまでの荷物の搬出・搬入を代行してくれるサービスで、トランクルーム各社が契約している別会社のサービスとなります。
- ハローストレージ ハロー宅配便
- 加瀬のレンタルボックス 運搬サービス
- キュラーズ 荷物運搬サービス
上記の運搬サービスは、運んでもらえるのは自宅からトランクルームまでで、引っ越し先でトランクルームから搬出する際は自分で運ぶか別の業者に依頼することになります。
また、自宅からトランクルームの距離にも制限があることが多く、対象範囲の人しか利用できないなど、やや利便性に欠けます。
この点、宅配型トランクルームはそもそも利用者を対象エリアで限定しているので、配送の段階で対応できないといったトラブルにはなりません。
まとめ
以上、宅配型トランクルームを引っ越しに利用する方法やどんな場合に利用すると便利か、また家具のような大型の荷物でも扱ってもらえる業者について紹介するとともに一般のトランクルームに付帯される運搬サービスとの違いについても紹介しました。
宅配型トランクルームの集荷・保管・配送システムは状況次第でかなり重宝できます。
再度まとめますと下記のような状況下で役立つはずです。
- 引っ越しが決まっているのに宿が見つからない人(大学進学、転勤など)
- 引っ越しが決まったけれど引っ越し業者が見つからなかった人
また、宅配型トランクルームを利用する時は下記の点をよく確認する必要があります。
- 取り扱ってもらえる家具の種類(冷蔵庫・洗濯機でも可能かどうか)
- 自分の住居と新居が対象エリアに含まれるか。
以上、利用者像および利用時の注意点でした。
なお、持たない生活が流行る昨今の日本では特に都内では車を持たない人が増えており、それに伴い免許を取得しない人もいるようです。たしかに都内および近郊で10年住んでいた筆者の経験からも都市部では車がなくても生活が成り立ちます。
そのため、自分で車を運転して荷物を運ぶという労力を使う行動が以前にも増してコスパの悪い行為だと考えられる節さえあります。
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